食べごろ撮りごろ

料理カメラマンの美味しい写真の話。

食材物語

静岡久能いちご赤くて甘~い宝石に秘められたものは・・?

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2月下旬、静岡久能にあるいちご生産農家、岩品孝則(いわしな たかのり)さんを訪ね、いくつかあるハウスの一つに案内してもらった。

今日はまた富士山がいいねぇ!

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久能といえば石垣いちごを想像するが、こちらのハウスは平地にあって石垣にはなっていない。
そのかわり作業性を高めるため地面から浮かした状態で栽培を行っている。

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今、色づいたいちごが少ないのは、ちょうど最初の出荷ピークを終えた後で、2度目のいちごがこれから色づくタイミングとのこと。

孝則さんによると、今年の夏は暑かったのでミツバチが思うように活動してくれなかったらしい。

ミツバチの活動が鈍いと受粉がうまくゆかないので、その結果、いびつな形のいちごが出来てしまうなんて知らなかった。

ただ受粉すればいいってもんじゃないんだ!

岩品さんが栽培しているのは、「紅ほっぺ」という品種で、「章姫(あきひめ)」と「さちのか」を交配した静岡生まれのいちご。

2002年(平成14年)に品種登録され、その後品種改良され今に至っている。

孝則さんの父、栄治さんによると、甘味と酸味のバランスがとても良く、三角形の見映えもいいので、男女問わず人気でケーキ需要も多いらしい。

ハウスに入らせてもらったのは8時半すぎで、そこで目にしたのは・・・

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な、な、なんてかわいい~!!

私の文才では月並みな言葉しか浮かばないので、スミマセン。

これはいちごが夜に根からたっぷり水分を吸い、余分になった水分を朝になって「水孔」という葉の先に開いた穴から放出する現象らしい。

それにしても、おじさんでもうっとりしてしまう。(^^;

お昼近くになってハウス内の気温が上がってくると、巣箱でぶんぶんいってたミツバチたちが活発に飛び始めた。

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よく見ると、なんか色が黒くてちょっと怖そうなやつも大きな羽音を立てて飛んでいる。なんじゃこいつは?

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孝則さんに聞いてみると、このハチは「マルハナバチ」といって、ミツバチにくらべると暑さにも比較的強く、活発に動いて受粉してくれる品種で、見た目がミツバチより大きいのでちょっと怖そうだけど性格は大人しくてめったに刺さないとのこと。

今年の夏の暑さで動きが鈍いミツバチの助っ人として、急遽ハウスに入れ、なんとか受粉を勧めることができたらしい。

いやぁ、そんないいハチとは知らず、失礼しました。<m(__)m>

実はこのマルハナバチ、「くまのプ―さん」に登場するかわいいハチもこのハチらしい。昔からみんなに愛されていたんだね。

この日はJA清水駒越営農の望月広孝 さんも来ておられたので、さっそく孝則さんとツーショット。お父さんの栄治さんと培養土のことでかなり専門的な話をされていた。

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岩品家では、いちごの他にも枝豆やメロンを栽培しておられるとのことで、いちごについては、孝則さんがすでに全権を委任されているらしい。

東京の農業専門学校時代に全国から集まったいろいろな生産者の若者たちと今も積極的に情報交換しながら、会の役職も務めておられる。

「今では岩品家の頼もしい戦力です。」と栄治さんはうれしそうな笑顔で話された。

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ハウスの中は、これから色づくあかちゃんいちごがたわわに実っている。
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そんな中、せっせといちごの剪定をしておられるのが、孝則さんの祖母初枝さんだ。

90歳を過ぎているとは思えない素早い手つきと確かな足取りで、次々にいちごの剪定を行ってゆくのは長年の経験の賜物だろう。

残念ながら「おばあさんは写さないで。」とのことなので、せめてこの素早い熟練の技をご覧あれ。


あと2週間ほどすると、このいちごたちも立派になり、真っ赤に色づく。

ああ、待ち遠しい~。

久能いちごには、せっせと働いてくれるハチたちへの感謝と、3世代のたっぷりな愛情が詰まっていた。

 

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